Raspberry Pi 5の変更点と対応

2024年2月、Raspberry Piの最新モデルであるRaspberry Pi 5が日本で発売となりました。システムの変更により、以前のRaspberry Piで利用できていた機能が使えなくなっているものがあります。本記事では、主に拡張基板(HAT)に関連した変更と対応方法、およびIndoor Corgi製品のRaspberry Pi 5対応状況についてまとめました。

RPi.GPIO、pigpioが利用できなくなりました

Pythonから40ピンコネクターの信号を制御するのに広く使われているRPi.GPIOとpigpioライブラリがRaspberry Pi 5では利用できなくなりました

そこで、今後はgpiozeroを推奨します。gpiozeroは開発が活発でRaspberry Pi公式でも推奨されています。なお、RPi.GPIOを削除し、代わりに互換ライブラリであるlgpioをインストールすることで、RPi.GPIOで書かれたコードが動作する可能性もあります。

当サイトのサンプルコードはRaspberry Pi 5で動作するようにgpiozeroで書き直しております。

Indoor Corgi製品においては、赤外線通信ツールである「cgir」がpigpioを利用しているため、Raspberry Pi 5で動作しない状態となっています。Raspberry Pi 5で赤外線通信を行う場合は、ご自身でソフトを準備していただく必要があります。

一部のI2C機器が認識しない問題 (解決済み)

2024年2月20日時点の安定版OSにおいて、I2C信号タイミングがシビアすぎるため一部のI2C機器を認識しない問題が起きています。Indoor Corgi製品で影響を受けているのは照度(明るさ)センサーのTSL2572のみです。

最新版OSで解決しております。問題が起きている場合は以下のコマンドでアップデートしてください。

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade -y

カメラ用コネクターが小型化

Raspberry Pi 4と比べてカメラ接続用のコネクターが小型化しています。公式のカメラモジュールV2、V3やHQカメラモジュールに付属しているケーブルが使用できないので、別途Raspberry Pi 5用、もしくはRaspberry Pi Zero用のケーブルを用意してください。

カメラモジュールV2が動作しない問題

2024年2月20日時点の安定版OSにおいて、libcamera-stillを使用してカメラモジュールV2で写真撮影を行おうとしても失敗する問題が起きております。こちらも将来のOSのアップデートで解決する見込みです。

config.txtパスの変更

こちらはRaspberry Pi 5というよりはRaspberry Pi OS最新版における変更です。システムの構成を記述しているconfig.txtのパスが/boot/config.txtから/boot/firmware/config.txtに変更になっています。RPZ-PowerMGRなどconfig.txtの変更が必要な場合は新しいパスを使用するようにしてください。

Indoor Corgi製品の対応状況

RPZ-Stepper / RPZ-CO2-Sensor / RPZ-PowerMGR
  • 全ての機能がRaspberry Pi 5で動作することを確認しています
RPZ-PIRS
  • 人感センサー、RGB LED、スイッチ、温度、湿度、気圧センサー (別売り)はRaspberry Pi 5で動作することを確認しています
  • 明るさ(照度)センサーは今後のOSのアップデートで動作可能になる見込みです。(解決済み。最新版OSで動作することを確認しました)
  • 赤外線送受信は、付属ツール「cgir」が動作しないため、ご自身で赤外線送受信ソフトを準備していただくか、動作するRaspberry Piモデルの利用を推奨いたします。
RPZ-IR-Sensor
  • 温度、湿度、気圧センサー、LED、スイッチはRaspberry Pi 5で動作することを確認しています
  • 明るさ(照度)センサーは今後のOSのアップデートで動作可能になる見込みです。(解決済み。最新版OSで動作することを確認しました)
  • 赤外線送受信は、付属ツール「cgir」が動作しないため、ご自身で赤外線送受信ソフトを準備していただくか、動作するRaspberry Piモデルの利用を推奨いたします。
RPi TPH Monitor
  • 温度、湿度、気圧センサー、LCDディスプレイ、LED、スイッチはRaspberry Pi 5で動作することを確認しています
  • 赤外線送受信は、付属ツール「cgir」が動作しないため、ご自身で赤外線送受信ソフトを準備していただくか、動作するRaspberry Piモデルの利用を推奨いたします。