Raspberry Pi(ラズパイ)に純正カメラモジュールを接続して、写真を撮影する方法の解説です。HQカメラのレンズ取り付けとフォーカスの調整についても解説しています。
Raspberry Pi OS Version 2021-01-11対応
更新日 : 2021年4月15日Raspberry Piカメラモジュールとは
Raspberry Piにはカメラモジュールを接続できる端子が装備されており、ケーブルを使ってカメラを接続することで、写真や動画を撮影できるようになります。プログラムと組み合わせることで、定期撮影、画像をサーバーに送信してスマートフォンからモニタリング、機械学習による画像認識などの応用が可能になります。

Raspberry Piカメラモジュールの種類
純正のカメラモジュールは主にRaspberry PiカメラモジュールV2とRaspberry Pi HQカメラの2種類です。違いを表にまとめました。
カメラモジュールV2 | HQカメラ | |
---|---|---|
画質 | 良い 8メガピクセル | とても良い 12メガピクセル |
レンズ | レンズ一体型 | 別途6mm 広角レンズか16mm望遠レンズが必要 |
価格 | 約5000円 | 約10000円(レンズ込) |
固定 | 三脚に取り付け不可。専用ケースなどが必要 | 三脚に取り付け可能 |
Raspberry Pi Zeroでの利用 | 別途Raspberry Pi Zero用カメラケーブルが必要 | 別途Raspberry Pi Zero用カメラケーブルが必要 |
HQカメラのレンズ取り付け
ここからは実際にカメラモジュールをセットアップする手順を解説していきます。
HQカメラを使う場合はレンズを取り付けます。カメラモジュールV2の場合はレンズ取り付けは不要です。次の「ケーブルの取り付け」に進んで下さい。
HQカメラ本体には、保護キャップ、C-CSアダプター、バックフォーカス調整リングの3つの部品が付いています。
6mm広角レンズ(CSマウント)を使用する場合は、保護キャップとC-CSアダプターを取り外します。16mm望遠レンズ(Cマウント)を使用する場合は、保護キャップのみ取り外します。

レンズを取り付けます。レンズ本体を時計回りに回転させて一番奥まで挿入します。バックフォーカス調整リングの固定ネジを付属マイナスドライバーで締めて固定します。


必要であれば三脚も取り付けておきます。
ケーブルの取り付け
Raspberry Pi本体のカメラ用端子に、カメラケーブルを取り付けます。
コネクターに装着されている黒いパーツを一旦外すことで隙間ができるので、ケーブルを差し込みます。ケーブルの金属端子が、コネクターの金属端子に接触する向きに差し込むようにします。最後に黒いパーツを再度とりつけるとケーブルが固定されます。
Raspberry Pi Zeroシリーズは端子が小さいのでRaspberry Pi Zero用カメラケーブルが必要になります。


ケーブルの反対側はカメラ本体につながっているので、そのままで問題ありません。Raspberry Pi Zeroで利用する場合は、最初から付いているケーブルを取り外してRaspberry Pi Zero用カメラケーブルを取り付けます。

Raspberry Piでカメラを有効化
Raspberry Pi OS側でカメラを有効にします。スタートメニューから、「設定 -> Raspberry Piの設定」をクリックします。

設定ツールが起動するので、上部タブから「インターフェイス」を選択し、カメラの項目を「有効」にチェックして「OK」をクリックします。

変更を反映させるため、Raspberry Piを再起動します。
以下のコマンドで撮影した画像がphoto.jpgという名前で保存されればOKです。
raspistill -o photo.jpg
HQカメラのフォーカス、絞り調整
HQカメラはフォーカス(ピント)と絞りがマニュアルとなっており、手動で調整する必要があります。
以下のコマンドで、カメラのプレビュー映像がディスプレイに60秒間表示されるので、それを見ながら調整すると良いでしょう。ディスプレイに接続していない場合はプレビューが利用できないので、撮影したjpgファイルを確認しながら調整する必要があります。
raspistill -f -t 60000
フォーカスを調整するには、以下の固定ツマミを緩めて赤い部分を回転させます。対象物がぼやけない位置に調整し終えたら、固定ツマミを締めて固定します。


絞りを調整するには、以下の固定ツマミを緩めて赤い部分を回転させます。絞りを開く(低いF値)するほど光を多く取り込めるので、暗い場所でも撮影できますが、ピントが合う距離の範囲は狭くなります。調整し終えたら固定ツマミを締めて固定します。


写真撮影
raspistillコマンドで写真撮影ができます。ここではいくつかオプションを紹介します。
-o オプションで保存するファイル名を指定します。
-t オプションで撮影までの待ち時間をミリ秒で指定します。指定しないと5秒になります。0だと無期限に待機してプレビューするので、撮影は1以上にします。
-nオプションでプレビューを非表示にできます。
raspistill -o photo.jpg -n -t 1 プレビューせずにすぐに撮影
raspistill -o photo.jpg -t 30000 30秒後に撮影
-rotオプションに90, 180, 270を指定することで回転できます。カメラ向きによっては回転させたほうが見やすくなります。
raspistill -o photo.jpg -rot 180 180度回転
まとめ
Raspberry Pi(ラズパイ)に純正カメラモジュールを接続して、写真を撮影する方法の解説は以上です。今回はコマンドで撮影する方法を紹介しましたが、Pythonなどのプログラムから撮影する機能もあります。プログラムと組み合わせることで、定期撮影、画像をサーバーに送信してスマートフォンからモニタリング、機械学習による画像認識などの応用が可能になります。

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