RPi TPH Monitor Rev2 (Raspberry Pi用 温度/湿度/気圧/赤外線 ホームIoT拡張ボード)

動作をプログラミング可能な、Raspberry Pi(ラズパイ)用ホームIoT拡張ボードです。温度、湿度、気圧センサー、赤外線送信、受信機能を搭載。温度が上がったらエアコンをオンにする、外出先から家電の操作をする、気温や湿度を記録する、といった使い方が可能です。ディスプレイやLEDに情報表示、スイッチを押したら特定の処理をすることもできます。

Raspberry Piに機能を追加

Raspberry Piは小型、省電力でインターネットにも接続可能なデバイスです。さらに、40ピンコネクターに拡張基板/HATを搭載することで機能を追加できます。Raspberry Piで以下のようなことができれば、便利だと思いませんか?

  • 温度、湿度、気圧を測定してモニタリング
  • Raspberry Piからエアコン、テレビ、照明などを赤外線で操作
  • 気温が一定以上になったら自動で冷房ONする熱中症防止機能
  • 朝の気温が一定以下なら自動で暖房ONする部屋あたため機能
  • 外出先から室内の温度チェック、帰宅前にエアコンをONするシステム
  • Raspberry PiのステータスをLEDやLCDディスプレイに表示
  • スイッチを押したらシャットダウン処理を開始

「RPi TPH Monitor」拡張基板を使えば、これらの機能を実現できます。ソフトウェア、設定はご自身で行っていただく必要がありますが、センサーを簡単に制御できるソフトウェアを開発、公開しているほか、サンプルコードや、応用例を公開しています。是非参考にして下さい。

特徴

機能概要図
温度、湿度、気圧センサー搭載

温度、湿度、気圧測定センサーBME280を接続でき、気温などを記録、ネットワークからモニタリングすることができます。赤外線機能と組み合わせて、気温が高いときに自動で冷房を入れるような機能が実現できます。

付属のBME280とケーブルで1チャネルの測定が可能で、追加でAE-BME280を使用することで2チャネル測定できます。

家電と連携できる赤外線送受信機能

赤外線送信機能によりエアコンやテレビ、照明器具などの家電製品を操作できます。 ネットワークを通じてスマホから家電を操作したり、自作のプログラムから家電を操作することが可能になります。赤外線LEDは縦/横方向2個搭載したことで、優れた通信範囲を実現しました。

赤外線受信機能もあるので、お使いの家電のリモコンのデータ解析や、汎用リモコンを使ったリモート制御も可能です。赤外線操作ツールを開発、公開しているので、簡単にリモコンの赤外線データを登録して送信する機能を実現できます。

LCDディルプレイ、LED、スイッチインターフェース付き

色の異なる2個のLED、文字を表示できるLCDディスプレイと3個の汎用スイッチを搭載しました。 プログラムなどから自由に制御できます。センサーと組み合わせて、温度をディスプレイに表示したり、スイッチが押されたら特定の処理をすることができます。スイッチを押してシャットダウン処理を開始し、完了したらLEDをOFFする応用例を公開しています。

センサーコントロールソフトウェア付属

独自開発した、センサーを制御できるコマンドラインツールとPythonパッケージ「cgsensor」を公開しています。Raspberry Pi OSに簡単にインストール可能です。

コマンドラインツールを利用すれば、1行もコードを書かなくても測定や記録ができます。ハードウェアを取り付け後、すぐに温度、湿度、気圧の測定や記録を開始できます。

また、Pythonパッケージを利用することで、ご自身のプログラムから簡単にセンサーを制御できます。開発期間の短縮に貢献します。

他社製品との比較

Raspberry Piを使って実用的なアプリケーションを作成する場合、センサーなどのハードウェアを制御するソフトウェアや、Linuxシステムに関するノウハウが必要不可欠です。多くの他社製品では最低限のサンプルプログラムのみが付属しており、アプリケーションの作成に不十分でした。

そこで、Indoor Corgiではソフトウェアや応用アプリケーション例の提供に力を入れています。

提供している「cgsensor」、「cgir」ソフトウェアは、コードを一切書かずにセンサー類や赤外線を制御できる他、pythonパッケージとしてご自身のプログラムでも利用できます。

また、応用アプリケーション例では、システムの設定方法も含めて解説しているほか、OSやカメラといったRaspberry Piの基本機能のセットアップについても解説記事を用意しています。お客様の運用までを強力にサポートし、開発工数の削減に貢献します

お客様ご要望のハードウェア、ソフトウェアの開発については、有償にて承っております。ハードウェア、ソフトウェア受託開発をご参照下さい。

スペック

対応機種
  • Raspberry Pi 4 Model B (純正ケースは上部フタが開かなくなったため、非対応)
  • Raspberry Pi 3 Model B (純正ケース対応)
  • Raspberry Pi 3 Model B+ (純正ケース対応)
  • Raspberry Pi 2 ModelB
Revisionの違いについて

RPiTPH Monitor Rev1.1, Rev2.0, Rev2.1, Rev2.2に機能的な差はありません。 ソフトウェアも完全互換で動作します。

組立キットとして提供していたRev1.1の一部部品を表面実装タイプとして、 完成品の形にしたのがRev2.xになります。

Rev2.1でP4にセンサーモジュールを逆向きに挿した際の保護抵抗を追加しています。

Rev2.2でI2CバスをLCDとその他センサーで分離して、干渉の影響を改善しています。

購入

まとまった数量をご希望の方は、見積もり依頼よりご連絡ください。

完成品

既に部品一式を基板に実装したものと、BME280モジュール、接続ケーブルのセットになります。 (モジュールとケーブルはそれぞれ1つ) Raspberry Pi本体は付属しません。

利用例

Raspberry Pi本体、電源ケーブルは付属しません。純正ケースに対応しているのはRaspberry Pi 3のみです。Raspberry Pi 4純正ケースは上部フタが無くなったため非対応です。

ブロックダイアグラム

セットアップ

Raspberry Piの初期設定

Raspberry Piを使うのが初めての方向けに、インストールと初期設定を解説しております。すでに完了している場合は次のステップへ進んでください。

Raspberry Piへの取り付け

Raspberry Piの40ピンコネクターに基板本体を取り付けます。

外付BME280センサー

4ピンのI2C端子(P2)に外付BME280センサーセットを接続することで、気温、湿度、気圧の測定が可能になります。ケーブルで接続するので、Raspberry Pi本体の発熱の影響を受けずに測定可能です。

以下の通り、同じ信号が対応するように接続して下さい。逆向きに接続すると部品を痛める恐れがあります。

基板P2端子外付BME280
3V3VIN
GNDGND
SCLSCL
SDASDA
信号の対応
RPi TPH Monitor P2端子の信号表記
外付BME280センサーの信号表記
AE-BME280用コネクタP3、P4

P3, P4は別売りセンサーモジュール AE-BME280 を接続するためのコネクタです。 I2CアドレスはP3が0x76、P4が0x77になります。P3は同一アドレスになるのでP2と併用できません。 2チャンネルで使用する際はP2とP4をご使用下さい。 AE-BME280側のジャンパは配線不要です。

使い方

I2C有効化

BME280センサーとLCDディスプレイはI2Cを使って通信します。以下の記事を参考にI2Cを有効化しておいて下さい。

BME280温度、湿度、気圧センサー

BME280センサーは「cgsensor」ツールで制御できます。以下の記事で解説しています。

赤外線

GPIO13よりHighを出力すると赤外線LED(波長940nm)がONになります。 家電などにデータを送信する際は赤外線フォーマットに従ってください。

GPIO4より赤外線データが受信できます。38kHzは自動的に復調されます。入力は反転となり、データ受信中がLowになります。受信ユニットに使用しているICはGP1UXC41QS / TSOP38238となります。

赤外線送信中は示す赤色LED(D3)が点灯します。赤外線LEDは電流が大きいので、設定ミスなどで常にON になっていると部品を痛める恐れがあります。このLEDが点灯し続けている場合は プログラムを終了して見直して下さい。

簡単に赤外線送受信できるツール、およびエアコンを制御する応用例を公開しています。

LCD

基板上に搭載されているLCDとはI2Cで接続されており、スレーブアドレスは0x3Eです。 詳細な使い方はLCDのマニュアルをご参照下さい。

LCDに文字列を表示するサンプルコードを用意しました。こちらをダウンロード、解凍後、rpitph_lcd.pyのファイル内の説明に沿って実行して下さい。

Rev2.1以前の基板で、上記lcdサンプルが うまく動かない場合はlcd-gpioサンプルコード(C++)をご利用ください。部品の相性によっては、P2にセンサーを接続しているとLCDモジュールから ACKが戻らない場合があります。本サンプルはI2Cライブラリを使わずに 直接LCDへコマンドを送るため問題を回避できます。この問題はRev2.2では解決しています。

LED

GPIO5, 6よりHighを出力すると、LED黄、緑がそれぞれ点灯します。 ステータス表示などにお使いいただけます。

GPIOLED
GPIO5D4(黄)
GPIO6D5(緑)
GPIOとLEDの対応

スイッチを押すとLEDの色が変わるサンプルコードを用意しました。こちらをダウンロード、解凍後、rpitph_ledsw.pyのファイル内の説明に沿って実行して下さい。

Pythonプログラミングが初めての方向けに解説記事を用意しております。

スイッチ

GPIO22, 23, 24にスイッチが対応しています。スイッチを押すとLowが入力されます。

押してない間HighとなるようにRaspberry Pi側でプルアップしてご利用ください。

GPIOスイッチ
GPIO22SW1
GPIO23SW2
GPIO24SW3
GPIOとスイッチの対応

スイッチを押すとLEDの色が変わるサンプルコードを用意しました。こちらをダウンロード、解凍後、rpitph_ledsw.pyのファイル内の説明に沿って実行して下さい。

Pythonプログラミングが初めての方向けに解説記事を用意しております。

応用例

PythonでRaspberry PiのGPIO、LED、スイッチ制御

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Raspberry Piをスイッチでシャットダウン (LEDで完了確認)

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回路図、関連資料

注意事項

  • P2, P3, P4に取り付けるセンサーモジュールは端子、向きがあっていることを確認して接続してください。 誤った向きや適合しないモジュールを取り付けた場合、部品を痛めるおそれがあります。
  • 利用規約・免責事項および保証をご確認の上、ご利用下さい。

開発依頼

本製品への機能追加などのカスタマイズや、本製品を使ったシステムの開発依頼、その他ハードウェア、ソフトウェアの開発については、有償にて承っております。ハードウェア、ソフトウェア受託開発をご参照下さい。

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