Raspberry Pi PicoにラズパイHATを取り付けるアダプター「RPP-HAT-Adapter」

Raspberry Pi PicoシリーズにRaspberry Pi(ラズパイ)用の拡張基板(HAT)を取り付けるためのアダプター基板です。LEDやセンサー、赤外線通信、モータードライバーなど、既存のラズパイ用拡張基板の機能をPicoに追加することができます。プログラム書き換えに便利なリセットスイッチを搭載。サンプルプログラムも用意しており、Picoで様々なアプリケーションを開発することができます。

機能概要図

機能概要図

製品の特徴

Raspberry Pi用の様々な拡張基板/HATをPicoシリーズで利用可能

Raspberry PiはLinux用のソフトウェアが動作するシングルボードコンピュータで、40ピンコネクターに拡張基板(HAT)を取り付けることで、センサーなどの機能を追加することができます。発売以来、数多くの拡張基板が公式、サードパーティからリリースされており、当Indoor Corgiも多くの製品を開発してきました。

一方、Raspberry Pi Picoはより専門的な用途向けであるマイコンボードの一種で、こちらもコネクターに部品を外付けすることで機能を追加できます。しかし、コネクター形状の違いにより、Raspberry Pi用の拡張基板は取り付けることができませんでした。

Raspberry Pi
Raspberry Pi Pico

本製品を使うことで、既存のRaspberry PiもしくはRaspberry Pi Zero用の拡張基板/HATを、Pico W、Pico 2などのRaspberry Pi Picoシリーズから制御することが可能になります。

RPi TPH Monitor拡張基板で温度、湿度をLCDに表示している例
RPZ-Stepper拡張基板でステッピングモーターを制御している例

HATとの特殊な通信に使われるGPIO0, 1を除く全てのGPIOがPicoと接続されていて、アクセス可能です。HATとの通信でよく使われているUART、I2C、SPIインターフェースは、Picoのデフォルトのピンに合うように配線しているため、違和感なく利用できます。I2Cに割り当てられた信号は、基板上にプルアップ抵抗を用意しており、別途取り付ける必要もありません。

サンプルプログラム

Raspberry Pi用の拡張基板をPicoから利用する場合の障害となるのがプログラムです。Raspberry PiとPicoではGPIOにアクセスする仕組みが異なるため、プログラムの作りも全く異なるためです。

そこで、LEDやスイッチ操作、赤外線通信、センサーを使った測定など、Indoor Corgi製の拡張基板で動作するサンプルプログラムを用意しました。サンプルプログラムを利用することで迅速な機能の実装が可能となり、アプリケーション開発の工数を削減できます。

サンプルプログラムの一覧はGitHubページを参照してください。現在サンプルプログラムを用意していない製品、機能についても、順次対応していく予定です。

Raspberry Pi Zeroサイズの拡張基板対応

通常のRaspberry Piサイズだけでなく、小型のRaspberry Pi Zeroサイズの拡張基板にも対応しており、固定穴を利用して拡張基板を固定できます。

Pico用リセットスイッチ搭載

Picoをリセットできるボタンを基板上に搭載しました。USBケーブルの抜き差しをせずにリセットすることができ、BOOTSELボタンを併用することで簡単にUSB書き込みモードにすることができます。

信号引き出し端子を用意

Picoの全てのピンについて、信号を引き出すための端子を用意しています。デバッガーを接続したり、信号波形を測定したい場合などにお使いいただけます。端子は実装されていないため、ピンヘッダーやソケットなどを実装してお使いください。

基板にピン対応表を用意

Picoと拡張基板のピン対応表を基板の表と裏にそれぞれ印刷しています。ピンの対応を確認する手間を削減できます。

基板裏面にもピン対応表を用意

仕様

項目仕様
対応ハードウェアRaspberry Pi Picoシリーズに対応
– Raspberry Pi Pico / H / W / WH
– Raspberry Pi Pico 2 / 2W / 2WH

拡張基板(HAT)
– Raspberry PiもしくはRaspberry Pi Zeroに対応した40ピンの拡張基板(HAT)
基板サイズ91mm x 65mm
電源5V: USBより供給
3.3V: Raspberry Pi Picoシリーズより供給

組み立て

Raspberry Pi Picoの取り付け

基板上に表記されているUSBコネクターと向きが合うようにRaspberry Pi Picoを取り付けます。逆向きに取り付けないように注意してください。

拡張基板/HATの取り付け

基板上の固定穴と合うように拡張基板/HATを取り付けます。必要に応じてネジなどで固定してください。

Raspberry Pi用の拡張基板の穴径はM2.6となっています。本製品とIndoor Corgi製の拡張基板についてはM2.6、M3のいずれにも対応しています。

電源の接続

USBケーブルをRaspberry Pi Picoのコネクターに挿入すると、拡張基板にも電源が供給されます。5VはUSBから直接供給され、3.3VはRaspberr Pi Picoの生成した電圧が供給されます。

消費電力がUSBおよびRaspberry Pi Picoの供給能力を超えないようにご利用ください。(Raspberry Pi Picoの3.3Vレギュレーターの最大電流値のスペックは800mAとなっています。)

一部の拡張基板には、Raspberry Piへの電力供給機能を備えたものがあります。拡張基板から電力を供給する場合、PicoのUSBコネクターは使用しないでください。プログラムはデバッグプローブなどを使ってDEBUG端子から書き込むことを推奨します。

使い方

HAT – Pico間の接続表

以下がRaspberry Pi HAT/拡張基板用の40ピンコネクターとPicoの接続表です。

I2C用のGP4、GP5については、基板上で3.3Vに10kΩでプルアップされています。それ以外の信号についてはピン間が単純に接続された状態となります。

PCとUART通信する場合は、HAT/拡張基板で使われていないピンを使用するようにしてください。例えば、HAT/拡張基板との通信にUART0、GP0/GP1が使われている場合、これらの信号はPCとのUART通信には使用できません。

プログラム書き込み

プログラム書き込みは通常Picoに書き込む方法と同じです。

RPP-HAT-Adapter基板上の青色スイッチSW1がPicoのRUNピンとGND間に接続されており、SW1を押すことでUSBケーブルを抜き差しせずにPicoをリセットすることができます。PicoのBOOTSELボタンを押したままSW1を押して離すことでプログラム書き込みを行うことが可能です。

資料

注意事項

購入

RPP-HAT-Adapter完成品

コネクター、スイッチ実装済みの完成品です。(信号引き出し端子は未実装) はんだ付け不要で利用可能です。

まとまった数量をご希望の方は、見積もり依頼よりご連絡ください。

開発依頼

本製品への機能追加や指定コネクターへの変更などのカスタマイズ、本製品を使ったシステムの開発依頼、その他ハードウェア、ソフトウェアの開発については、有償にて承っております。ハードウェア、ソフトウェア受託開発をご参照下さい。

SCD41 CO2センサーとラズパイで二酸化炭素濃度を測定する

Indoor Corgiのセンサー制御ソフトウェア「cgsensor」を利用して、SCD41 CO2センサーで二酸化炭素濃度を測定したり、センサーの校正や設定を変更する方法を解説します。コマンドラインツールを使って1行もコードを書かずに測定や記録ができるほか、Pythonパッケージを使えばご自身のプログラムから簡単にセンサーを制御できます。

静音モードでステッピングモーターの動作音を抑える (Raspberry Pi + RPZ-Stepper)

ステップ角単位で回転するという仕組み上、ステッピングモーターは振動や音が大きくなりやすい特徴があります。RPZ-Stepperは静音モードを搭載しており、振動と音を低減できます。モーターや回転数にもよりますが、動いているのかほとんどわからないレベルまで振動や音を減らすことも可能です。静かな環境で動作させるアプリケーションを実現できます。

Raspberry Pi用ユニバーサル基板「RPi-UniBread」

使いやすさにこだわって設計したRaspberry Pi用ユニバーサル基板です。ブレッドボード型の配線パターンを用意したことで裏面で部品を配線する手間を削減できます。DIPパッケージやブレイクアウトボードも利用しやすいように考慮しています。ラズパイに装着して動作する拡張基板を自作することができます。