本記事では、Rasbperry Pi 4のおすすめケースとして、Raspberry Pi4用 DIYメタルケース (Physical Computing Lab)を紹介します。冷却性能、コンパクトさなどバランス良く仕上がっており、かつGPIO端子に拡張基板/HATをそのまま装着できる数少ないケースです。実際に温度を測定した結果も掲載しています。
更新日 : 2024年9月29日Raspberry Pi 4ケースに必要な機能
そもそもなぜRasbperry Pi(ラズパイ)にケースが必要なのでしょうか?
Raspberry Piの保護
ケースの最も重要な役割はRaspberry Pi本体を物理的、電気的に保護することでしょう。
Rasbperry Piは基板がむき出しの状態です。外部の物理的な衝撃から保護する必要があります。また、基板上の金属端子部分には電圧がかかったり、電流が流れている箇所があります。こういった端子間が金属などの導体に接触してショートすると、部品が壊れてしまうことも起こりえます。
とはいえ、基本的にどのケースも保護機能はあると思って良いでしょう。
Raspberry Piの冷却
もう1つはRaspberry Pi本体を冷却することです。
Raspberry Piはバージョンアップとともに性能を向上させてきました。それにともない、発熱も大きくなっています。Raspberry Pi 3まではあまり気にする必要はありませんでしたが、Raspberry Pi 4では、何も発熱対策をしない状態だとCPUの負荷が高い状態だと80℃を超える温度に達します。
ケースによっては、ヒートシンクとして機能してRaspberry Piを冷却できるような構造になっていたり、冷却用のファンが搭載されていたりします。
Raspberry Pi4用 DIYメタルケース (Physical Computing Lab)
本記事で紹介するRaspberry Pi4用 DIYメタルケース (Physical Computing Lab)の特徴を見ていきます。先ほど紹介した保護、冷却機能はもちろん、それ以外の面でもバランス良く仕上がっています。
- 十分な冷却性能
- コンパクトなサイズ
- 拡張基板/HATがそのまま搭載可能
- 組み立てが簡単
Raspberry Pi 4 Model Bに対応しています。
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
十分な冷却性能
Raspberry Pi4用 DIYメタルケースは金属製の上側と下側のパーツでRaspberry Piを挟む構造です。この際、青い放熱シートで発熱の大きいCPU、DRAMと密着するようになっています。そのため、ケース全体がヒートシンクの役割を果たし、ファンレスではありますが、必要な冷却性能を実現しています。
実際にケースに入れた場合とケースなしの場合で、CPUの温度を測定しました。室温は26〜27℃です。
まずは起動から低負荷の場合の温度と時間のグラフです。Raspberry Pi OSを起動後、何も操作していない状態で計測しました。ケースありだと43℃程度、ケースなしだと53℃程度になりました。
次に、CPU使用率が100%になるような負荷をかけた場合の温度と時間のグラフです。ケースありだと最大65℃程度になっています。ケースなしだと82〜84℃に達しており、過剰な発熱を避けるためにCPUの周波数を落とす「サーマルスロットリング」が発生していました。
測定結果から、ケースの放熱機能によってCPUの温度が抑えられていることが分かります。
コンパクトなサイズ
Raspberry Piはクレジットカードサイズのコンパクトさが売りです。基板本体の横/縦の寸法は85mm x 56mmとなっています。(クレジットカードは86mm x 54mm)
それに対し、Raspberry Pi4用 DIYメタルケースの実測寸法は94mm x 62mmと、Raspberry Pi本体がぎりぎり収まるコンパクトなサイズとなっています。
高さについても、ケース金属部分は15.5mmとコンパクトです。底面のゴム足から最も高いUSBコネクタの上面までが23.5mmです。
ケースによっては、Raspberry Piより一回り大きくなってしまったり、高さが高くなってしまうものもあります。Raspberry Pi4用 DIYメタルケースであれば、本来のコンパクトさを維持しつつ、安全に運用できます。
拡張基板/HATがそのまま搭載可能
赤外線、環境センサーを搭載する「RPZ-IR-Sensor」など、拡張基板/HATで機能を追加できるのがRaspberry Piの魅力の1つです。
Raspberry Pi4用 DIYメタルケースはGPIO端子の上端がほぼケース上面と同じ位置になっているので、拡張基板/HATがそのまま取り付けられる薄さに収まっています。(ただし、拡張基板の裏面に部品があると取り付け出来ない可能性があります。Indoor CorgiのRPi TPH Monitorも裏面の部品があるので取り付けできません。)
GPIO端子を覆ってしまうようなケースに入れると、そもそも拡張基板/HATが取り付けられません。また、GPIO端子が開いていても、ケースの厚みがある場合は延長アダプターやケーブルを介して取り付ける必要があります。
十分な冷却性能を実現しつつ、拡張基板もそのまま取り付けられるRaspberry Pi 4用ケースは、数少ないと思います。カメラケーブル、ディスプレイケーブル用の端子も開口部から利用可能です。
組み立てが簡単
組み立ても簡単です。Raspberry Piから熱を伝えるための放熱シートを貼った後、上下からケースをかぶせ、4箇所ネジ止めするだけで完成です。
WiFi、Bluetooth通信に配慮した設計
金属製ケースだと、Raspberry Piの電波を遮蔽する形になるので、WiFi、Bluetoothなどの無線通信が悪化するケースがありますが、無線性能を十分に確保する設計となっています。
無線性能を十分に確保するため、Raspberry Pi4のアンテナが設置されている基板部分の開口部を大きく取っていますので概ねWifiやBluetoothも大きな性能劣化が起こらないように設計されています。
Physical Computing Labより引用
まとめ
Rasbperry Pi 4のおすすめケースとして、Raspberry Pi4用 DIYメタルケース (Physical Computing Lab)を紹介しました。冷却性能、コンパクトさなどバランス良く仕上がっており、かつGPIO端子に拡張基板/HATをそのまま装着できる数少ないケースです。Indoor Corgiでも実際に使用しています。ぜひ検討してみて下さい。
RPZ-PowerMGR (Raspberry Pi用 消費電力削減/モバイルバッテリー拡張基板)
スイッチで電源ON/OFF、指定時刻に電源ON/OFF、シャットダウン後自動電源OFFを可能にする拡張基板です。Raspberry Pi(ラズパイ)やJetson Nanoの電源の課題を解決し、省電力運用を可能にします。RTCで電源OFF時も時刻を保持します。USB Type-C端子を搭載し、モバイルバッテリーでも利用できます。
ステッピングモーターを指定速度/回転数で回転させる (Raspberry Pi + RPZ-Stepper)
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スイッチでラズパイ/Jetsonの電源をON/OFF (RPZ-PowerMGR)
RPZ-PowerMGRを使って、スイッチでRaspberry Pi(ラズパイ)/Jetson Nanoの電源ON/OFFする方法の解説です。ケーブルの抜き挿しやログインして操作しなくても電源ON/OFFできるほか、リモートやプログラムからシャットダウンした際に自動で電源OFFすることもできます。不要な時は電源を切ることで省電力化が可能です。