RPZ-PowerMGRはモバイルバッテリーWake up機能を搭載しているため、モバイルバッテリーを使った間欠動作が可能です。ただし、一部の使用環境では副作用でRTCが意図せずリセット(初期化)されてしまうことがあります。本記事ではそれを回避する機能について解説します。
概要
モバイルバッテリーの多くは、一定時間使用しないとスリープ状態に入り、電圧を出力しない状態になります。そこで、RPZ-PowerMGRは、電圧が低いと状況に応じてモバイルバッテリーWake upを試みます。これはモバイルバッテリー以外が電源に接続されていても発生します。(何が繋がっているかRPZ-PowerMGR側からは判別できないため)
ところが、RPZ-PowerMGRと電源がケーブルで繋がっているものの電気が来ていない状態だと、Wake upの副作用でRTCがリセットされてしまう現象が発生することがあります。この現象が発生するかどうかは電源の回路に依存します。
そこで、上記現象を回避するためにUSB Type-A型のモバイルバッテリー用のWake upを無効化する機能を搭載しました。USB Type-C型のWake upはこの問題が発生しないため、設定に関わらず常時有効です。
無効化が推奨される環境
以下の全ての条件に当てはまる場合、無効化することでRTCリセットを回避できる可能性があります。
- 常時電圧が出力されている(スリープしない)電源、もしくはUSB Type-C型モバイルバッテリーを使っている
- RPZ-PowerMGRとケーブルで繋がったまま、元電源がOFFになったり、バッテリー切れになる可能性がある
- 元電源OFFやバッテリー切れから復旧した際、スケジューラーが動作しなかったり、RTCが2000年にリセットされる現象が起きる
ファームウェアバージョンの確認
本機能を使うには、RPZ-PowerMGRのファームウェアが以下のバージョン(2022年7月リリース)より新しくなっている必要があります。ファームウェアバージョンの確認とアップデート方法はファームウェアアップデート手順を参照して下さい。
RPZ-PowerMGR基板本体のRev | 必要なファームウェアバージョン |
---|---|
Rev1 | Ver1.4以降 |
Rev2 | Ver2.1以降 |
設定方法
コントロールツールでcfサブコマンドに-w 0を指定することで無効化できます。以下の$に続くコマンドを実行して下さい。
$ cgpmgr cf -w 0
有効化するには-w 1を指定します。
$ cgpmgr cf -w 1
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