Buster以前のバージョンのRaspberry Pi OSは、キーボードからの日本語入力はデフォルトでインストールされません。本記事ではiBusとMozcを使ってRaspberry Pi(ラズパイ)で日本語入力する方法を解説しています。
2021年11月にリリースされた最新版OS Bullseyeでは、初期設定の途中でアップデートを適用すると自動的に日本語入力がインストールされるようになったため、この手順は不要です。アップデートを適用しなかった場合や、Buster以前のバージョンを使っている場合に日本語入力をセットアップして下さい。
Raspberry Pi OS Version 2021-05-07対応
更新日 : 2021年11月11日iBus、Mozcについて
iBusは様々な言語の入力メソッドを提供し、Mozcは日本語入力エンジンの一つです。この2つを組み合わせることで日本語の入力が可能になります。他にもソフトはありますが、どちらもLinuxにおいては人気のあるソフトで、今回はiBusとMozcを使う方法を解説します。
iBus、Mozcのインストール
まずはiBusとMozcをインストールします。
左上メニューから「アクセサリ -> LX Terminal」をクリックしてターミナルを開きます。Linuxではコマンドを使って設定を行うことが多いのですが、全てターミナルから実行することができます。

ターミナルが開いたら以下のコマンドを1つずつ入力してEnterキーを押すことで実行します。インターネット上からiBusおよびMozcをダウンロードしてインストールしてくれます。
sudo apt update
sudo apt install ibus-mozc

続行しますか?と聞かれたらEnterを押して続行します。

以下のようにエラー無く完了すればインストール終了です。

再起動
インストールが終わったら、左上メニューから「Shutdown」をクリックし、ダイアログボックスから「Reboot」をクリックして再起動しておきます。


日本語入力を試す
再起動すると自動的にiBusが起動していると思います。画面右上の「A」のアイコンをクリックして、以下のようなメニューが表示されれば問題ありません。

キーボードの絵のアイコンや、「JA」、「EN」というアイコンになっている場合はiBusは起動していますがMozcに設定されていませんので、アイコンをクリックして出るメニューから「日本語 – Mozc」をクリックしてMozcに切り替えます。
では日本語入力を試してみます。左上メニューから「アクセサリ -> Text Editor」をクリックしてテキストエディターを起動します。

デフォルトでは右上のアイコンが「A」で、英字入力モードになっています。

「半角/全角」キーを押すことで、右上のアイコンが「あ」となり、日本語入力に切り替わります。スペースキーで漢字変換も可能です。Windowsと同じ操作ですね。

今回はテキストエディターで試しましたが、ブラウザーなど他のソフトでも同様です。
まとめ
iBusとMozcを使ってRaspberry Piで日本語入力する方法は以上です。
Raspberry Piはソフトや拡張基板を追加することで無限の使い方が可能です。Indoor Corgi製の拡張基板や、赤外線通信を行う方法なども解説しているので、ぜひ参考にして下さい。
次のステップとして、センサーなどでよく使われるI2Cの設定手順を解説した記事や、VNCを利用してPCからRaspberry Piにリモート接続する手順を用意しています。

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