概要
RPiTPH Monitor及びRPZ-IR-Sensor用の、 LIRCを使って赤外線の送受信を行う応用例です。 GPIOを直接制御することでも赤外線送受信は可能ですが、 他のタスクが入るとタイミングがずれてうまくいかないケースがあります。LIRCを使うことで安定した通信が可能になります。 CPUリソースが限られているRaspberry Pi ZeroではLIRCを使うことを推奨しております。
設定方法はKernelとLIRCバージョンによって異なることがあります。 本ページの方法で動作確認済みのOSとLIRCバージョンの一覧は以下の通りです。 Kernelバージョンはapt-get upgradeで更新されることがあります。更新したくない場合は raspberrypi-bootloaderおよびraspberrypi-kernelパッケージのバージョンを固定することをおすすめします。
本ページはRaspbianのJessie用の設定方法です。 最新のバージョンであるStretchをお使いの場合は設定方法が異なりますので、 こちらをご覧ください。
OS | Kernelバージョン | LIRCバージョン | 動作確認 |
---|---|---|---|
Raspbian Jessie 2017-04-10 | 4.4 | 0.9.0 | 確認済 |
Raspbian Jessie 2017-06-21 | 4.9 | 0.9.0 | 確認済 |
Raspbian Jessie 2017-07-05 | 4.9 | 0.9.0 | 確認済 |
LIRCのインストール
以下のコマンドでlircをインストールしてください。
sudo apt-get install lirc
LIRCの設定
/boot/config.txtをスーパーユーザーで開き、lirc-rpiに関する設定を以下のように編集してください。
# Uncomment this to enable the lirc-rpi module dtoverlay=lirc-rpi dtparam=gpio_out_pin=13 dtparam=gpio_in_pin=4
/etc/lirc/hardware.confをスーパーユーザーで開き、一部設定を以下のように編集してください。
LIRCD_ARGS="--uinput" LOAD_MODULES=true DRIVER="default" DEVICE="/dev/lirc0" MODULES="lirc_rpi"
設定が終了したら再起動して、以下を実行してlircdを一度終了してください。
sudo killall lircd
赤外線受信
以下のコマンドを実行した後、基板の赤外線受信ユニットに向けて、お使いのリモコンから赤外線を送信してください。 送信が終わったらCtrl+Cで取り込みを終了します。
mode2 -d /dev/lirc0 > rec.txt
受信に成功すると、赤外線情報がrec.txtに記録されます。
space 1141941 pulse 3506 space 1700 pulse 466 space 401 pulse 467 space 1269 ...
赤外線送信
先ほど記録したデータを赤外線送信データとして登録します。 /etc/lirc/lircd.confを以下のように編集してください。nameの行は好きな名前を付けられます。 今回はエアコンのオフボタンの例としてname aircond, name offとしました。 begin raw_codesのname offに続く行は赤外線データを示しています。rec.txtに記録されたデータのうち、先頭のspaceを抜いた pulseから始まる数値をスペースで区切って入力していきます。 1行のデータが非常に多い場合エラーとなる事があります。適宜改行を入れてください。
begin remote name aircond flags RAW_CODES eps 30 aeps 100 gap 200000 toggle_bit_mask 0x0 begin raw_codes name off 3506 1700 466 401 467 1269 ... end raw_codes end remote
再起動後、送信準備として以下を実行します。
sudo killall lircd sudo lircd -d /dev/lirc0
登録した赤外線データを送信するには以下のコマンドを実行します。正常に送信されればお使いの機器が反応します。また、赤外線送信中を示す赤色LEDが一瞬点灯します。
irsend SEND_ONCE aircond off
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