Wake on LAN(WoL)で自宅や会社などのパソコン(PC)をスマートフォンからリモート起動できるIoTデバイスです。通常WoLは同一LAN内でしか送受信できませんが、CG-SmartWoLを使うと、インターネットに接続されていればどこにいてもPCを起動することができます。リモートワークやPC管理などに便利です。0.25Wと省電力なため、必要な時以外はPCやサーバーを停止することで消費電力を削減できます。

機能概要図

製品の特徴
外出先や離れた場所から自宅や会社などのパソコンを起動できる
Wake on LANとは、ネットワーク経由でパソコン(PC)を起動する仕組みです。通常、Wake on LAN信号はルーターなどを通過できないため、同一LAN内のみでしか送受信できません。
CG-SmartWoLを使うと、インターネットに接続されていればどこにいても簡単に意図したPCを起動することができます。(起動先のPCがWake on LANに対応している必要があります。)
CG-SmartWoLでは、以下のような流れで自宅や会社のLANのPCを起動します。
- 起動先PCと同じLANにCG-SmartWoLデバイスを接続しておきます。
- 専用のスマートフォンアプリからデバイスへ起動指示を出します。
- デバイスからWake on LAN信号を起動先PCへ送信します。
- 指定したPCが起動します。

省電力
運用時の平均消費電力はわずか0.25Wと省電力です。
独立したデバイスとして動作するので、LAN上のPCを全てシャットダウンしていてもWake on LAN信号を送信可能です。PCやサーバーを必要な時だけ起動するようにすることで、常時起動している場合と比べて電力を削減できます。
誤操作やトラブルなどでサーバーがシャットダウンしてしまったときのためのバックアップ用の起動手段としてもご利用いただけます。
複数のスマホ端末、デバイスで利用可能
端末やデバイスを追加して、複数台で利用することができます。
例えば、自宅と会社にデバイスを配置することで、いずれの場所のPCもアプリから起動できます。(同時利用できるデバイスは50台まで、登録できる起動先PCの数はデバイスあたり100台までとなります。)
また、端末を追加すれば、スマートフォンとタブレット端末のいずれからも操作することができます。

アプリで簡単に操作可能
アプリは、デバイスや起動先PCの一覧が見やすく、直感的に操作できるように設計しました。ヘルプもアプリ内に入れることで、誰でも簡単に操作できます。(現在、アプリはAndroid用のみとなっており、iPhoneには対応していません。)

ネットワークの設定が不要
インターネット上からWake on LANする際の一般的な構成では、インターネットからLANのルーター(ゲートウェイ)にアクセスするため、Dynamic DNSなどのアドレス解決の仕組みが必要になります。さらに、VPNサーバーなどを常時起動する必要、サーバーへアクセスするためにポート開放や転送などの設定も必要です。
一方でCG-SmartWoLデバイスはインターネット上のサーバーへクライアントとして接続するため、このようなネットワークの設定が不要です。通常のPCと同様にインターネットアクセスが可能であれば動作します。

小型
56mm x 29.5mmと非常に小型サイズのため、設置場所を選びません。ネットワークへは無線で接続するため、LANケーブルの接続も不要です。
セキュリティに配慮
WiFi接続は2025年時点で最新のWPA3に対応しました。また、ほとんどのデバイスで利用できるWPA2にも対応することで、互換性を確保しています。
通信の暗号化、機器の認証はもちろん、WiFiパスワードや起動するPCのMACアドレスなどの設定情報は全て暗号化して保存することで、セキュリティを確保しています。万一のデバイス紛失時も、外部に流出する心配がなく安心です。
仕様
項目 | 仕様 |
---|---|
製品サイズ | 長さ: 56mm 幅: 29.5mm 高さ: 9mm |
電源コネクター | Micro USB Type-B |
消費電力(平均値) | 通常モード: 0.25W 設定モード: 0.33W |
動作温度 (周囲温度) | -20℃〜60℃ |
Wake on LAN方式 | Magic Packet |
対応スマートフォン、タブレット | Android7以降のAndroid端末 (iPhoneは非対応です) WiFi、インターネットアクセス機能があること |
対応WiFiアクセスポイント | 周波数: 2.4GHz セキュリティ: WPA3/WPA2 Personal |
起動可能なパソコン(PC) | Wake on LANに対応したPCであること CG-SmartWoLと同じLANに接続されているPCであること |
同時運用できるCG-SmartWoLデバイス | 最大50台 (1グループあたり) |
登録できる起動先 | 最大100台 (1デバイスあたり) |
アプリのインストール
スマートフォン、タブレット上のアプリで本製品のデバイスを操作します。以下のリンク先をスマホで開くか、QRコードを読み取り、アプリをインストールしてください。現在、アプリはAndroid用のみです。iPhoneには対応しておりません。
初期設定#1 デバイス追加
デバイス追加とは、CG-SmartWoLデバイスをスマートフォン端末と紐付ける操作です。また、デバイスの名前や、接続するWiFi情報も入力します。
デバイス追加ボタンをタップ
アプリを起動したら、右下の「デバイス追加/再設定」ボタンをタップします。

デバイスを電源に接続する
CG-SmartWoLのMicro USB Type-B端子と電源をUSBケーブルで接続して起動します。USBケーブルや電源アダプターは付属しないため、別途ご用意ください。(例:スイッチングACアダプター MicroBオス 5V3A)
コンセントからの給電を推奨しております。パソコンのUSB端子などでも動作可能ですが、パソコンの電源を落とした際にUSB機器への給電も停止する場合があります。
デバイスを設定モードにする
この時点で、デバイスはインターネット経由でスマートフォン端末と通信できないたいめ、直接WiFi接続します。これを「設定モード」と呼んでいます。
初めて使うデバイスは、電源に接続すれば自動的に設定モードになります。デバイスのLEDが「1秒点灯→1秒消灯」パターンになったら設定モードになっているので「次へ」をタップします。

デバイスを追加(スマートフォン端末に紐付け)する
一時的にスマートフォンの現在のWiFi接続が切断され、デバイスへ直接接続されます。確認画面が表示されたら「接続」をタップして許可してください。
以下の画面が表示されたら接続成功です。右下の「デバイス追加」をタップすると、端末と同じグループに紐付けられます。

デバイス名とWiFi情報の入力
デバイス名とWiFi SSIDの右にある編集ボタンをタップして、それぞれ入力してください。
デバイス名はデバイスを区別するための名前で、自由に設定することができます。設置場所がわかるようにすることをおすすめします。(「自宅」、「事務所2F」など)
WiFi設定はデバイスが接続するWiFiアクセスポイントのSSIDとパスワードを入力します。接続先と同じLANに所属するPCのみ起動することができます。2.4GHzのアクセスポイントを指定してください。5GHzには非対応です。

入力が終わったら右下の「設定完了」ボタンをタップします。

設定完了と確認
以下のように設定完了画面が表示され、デバイスは設定したWiFiアクセスポイントに接続を開始します。しばらくしてデバイスのLEDが「点灯」状態になっていればWiFi接続成功です。「閉じる」をタップするとアプリのホーム画面に戻ります。

アプリのデバイス一覧に追加したデバイスが表示されていれば、インターネット経由デバイスと通信できており、正常に動作しています。この手順を繰り返すことで、複数台のデバイスをグループに追加することが可能です。運用においては最大50台までとしてください。

うまく動かないときは
途中でアプリを閉じたり、アプリのホーム画面に戻ってしまった場合は、再度初期設定#1 デバイス追加を最初から行ってください。設定を途中から再開できます。
デバイス一覧にうまく表示されない場合は、アプリホーム画面の左上のメニューボタンをタップし、「デバイスが見つからない」をタップするとヘルプが表示されるので、確認してみてください。

初期設定#2 起動先の追加
起動先パソコンのMACアドレス確認
Wake on LANでは、起動するパソコン(PC)をMACアドレスで判別しています。こちらの記事を参考にMACアドレスを確認し、控えておきます。
追加するデバイスを選択
起動先はデバイスごとに管理されます。アプリホーム画面の「デバイス一覧」から、新しく起動先を追加するデバイスをタップします。
WoL信号を送信するデバイスと起動先PCは同じLANに接続されている必要があります。
起動先の情報を入力
最初は起動先が登録されていない状態です。右下の起動先を追加ボタンをタップします。

起動先の名前とMACアドレスを入力します。名前は起動先を区別するためのもので、自由につけることができます。どのPCか分かりやすいものをつけると良いと思います。

入力できたら「追加」を押すと起動先が追加され、一覧に表示されます。

Wake on LANで起動する
起動先PCの設定
Wake on LANでは、あらかじめ起動先のPCで適切な設定をしておく必要があります。こちらの記事を参考に、PC側で設定を済ませておきます。
Wake on LAN信号を送信
アプリホーム画面の「デバイス一覧」から、起動したいPCを登録しているデバイスをタップします。
次に「起動先一覧」画面で起動したいPCをタップすると、以下のように確認が表示されるので「起動」をタップします。

「Wake on LAN信号を送信しました」と表示されれば、CG-SmartWoLからWoL信号(Magic Packet)の送信に成功しています。指示したPCが起動したか確認してください。
起動しない場合
- WoL信号を送信するデバイスと起動先PCが同じLANに接続していることを確認してください。
- 登録しているMACアドレスに誤りがないか確認してください。有線LANとWiFiなど複数のネットワークインターフェースがある場合、それぞれMACアドレスが異なるので注意してください。
- WoLを動作させるためのPCの設定が適切にされているか確認してください。
- 内蔵有線LAN端子があるPCの場合は、そちらを使って動作するかお試しください。
- Windowsの場合は「シャットダウン」だけでなく、「スリープ」や「休止状態」から起動できないかもお試しください。
WiFi設定を変更する
デバイスに設定してあるWiFiの接続先を変更したい場合は、再度設定モードにすることで変更することができます。使用中のデバイスを設定モードにするには、以下の手順を行ってください。
- 黒色の「設定モードスイッチ」を押したまま電源に接続して起動します。
- 電源接続後、1秒以上「設定モードスイッチ」を押し続けた後、離します。(なお、7秒以上押し続けると設定が初期化されるため、それよりも早く離してください。)

LEDが「1秒点灯→1秒消灯」パターンになっていれば設定モードになっているので、初期設定#1 デバイス追加と同じ手順で直接デバイスへ接続し、WiFi設定を変更してください。
端末を追加する
別のスマートフォンやタブレット端末をグループに追加することで、複数の端末からデバイスにアクセスし、PCを起動することができます。起動先の情報はデバイスに保存されているので、全ての端末で起動先の情報は共有されます。
- 使用中の端末のアプリで左上メニューボタンをタップし、「グループIDの表示」をタップしてグループIDとQRコードを表示します。
- 新しく追加する端末のアプリで左上メニューボタンをタップし、「グループに参加」をタップします。
- 新しく追加する端末のアプリで、1.で表示されているグループIDを入力するか、QRコードを読み取ります。
- 新しく追加する端末のアプリで、「グループに参加」をタップします。
デバイスを初期化する
以下の手順で、デバイスの設定を全て消去して初期化することができます。その場合、参加していたグループからデバイスは除外されます。
- 黒色の「設定モードスイッチ」を押したまま電源に接続して起動します。
- 電源接続後、7秒以上「設定モードスイッチ」を押し続けます。
- LEDが3回点滅し、初期化されます。
サードパーティーライセンス
注意事項
- 利用規約・免責事項および保証をご確認の上、ご利用ください。
- プライバシーポリシー
購入
CG-SmartWoL本体のみです。電源接続用のMicro USB Type-Bケーブル、コンセントにUSBを接続するアダプターは付属しませんので、別途ご用意ください。現在、操作アプリはAndroid用のみとなります。
まとまった数量をご希望の方は、見積もり依頼よりご連絡ください。
開発依頼
本製品への機能追加や仕様変更などのカスタマイズ、本製品を使ったシステムの開発依頼、その他ハードウェア、ソフトウェアの開発については、有償にて承っております。ハードウェア、ソフトウェア受託開発をご参照下さい。

Raspberry Pi PicoにラズパイHATを取り付けるアダプター「RPP-HAT-Adapter」
Raspberry Pi PicoシリーズにRaspberry Pi(ラズパイ)用の拡張基板(HAT)を取り付けるためのアダプター基板です。LEDやセンサー、赤外線通信、モータードライバーなど、既存のラズパイ用拡張基板の機能をPicoに追加することができます。プログラム書き換えに便利なリセットスイッチを搭載。サンプルプログラムも用意しており、Picoで様々なアプリケーションを開発することができます。

プログラミング可能なアドレサブルRGB LEDコントローラー「CG-CustomARGB」
発光パターンを自由にプログラミング可能なアドレサブルRGB LEDコントローラーです。市販のコントローラーではできないようなイルミネーションを自作できます。世界的に有名なArduino互換機として設計しており、未経験者でも簡単にプログラミングできるチュートリアルとサンプルプログラムを提供しています。

CO2濃度に応じてLEDの色を変化させ、リレーで外部機器をON/OFFする
Raspberry PiとRPZ-CO2-Sensorを使ってCO2(二酸化炭素)濃度を測定し、LEDの色を変化させる応用例です。LEDを見ることで、換気の必要性がひと目でわかります。濃度が一定以上になったらリレーで換気ファンなどの外部機器をONすることも可能です。