RPZ-PowerMGRがJetson Nanoに対応しました

電源管理/RTC拡張基板「RPZ-PowerMGR」がNVIDIA社製シングルボードコンピュータ「Jetson Nano」に対応しました。

JetsonシリーズはRaspberry Piと同様のシングルボードコンピューターの一種です。AI向け半導体で世界最大手であるNVIDIA製GPUを搭載しており、高速なAI演算能力が特徴です。一般的に計算能力の低いエッジデバイスでも、リアルタイム画像認識などの演算能力を必要とするAI処理を実現します。

Jetson NanoはJetsonシリーズのエントリーモデルであり、安価、小型、低消費電力なものとなっています。RPZ-PowerMGRと組み合わせることで、モバイルバッテリーやソーラーシステムで指定時間だけ動作させるといった応用が可能になります。

Jetson NanoにRPZ-PowerMGRを装着した様子
指定日時に電源ON、OFF

あらかじめ登録した日時、時刻に電源ON、OFFできます。必要なときだけ電源をONすれば省電力でJetsonを運用できます。モバイルバッテリーで長期間の稼働が可能になります。

月、日、曜日、時、分を自由に指定でき、毎週、毎日、毎時のような指定も可能で、複雑なパターンに対応できます。例えば以下のようなスケジュールが簡単に作成できます。

  • 毎時0分に電源ON、10分に電源OFF
  • 毎日8:15に電源ON、17:40に電源OFF
  • 毎週月、水、金の20:00に電源ON
  • 毎月15日の0:00に電源ON
  • 1月15日の9:00に電源ON
  • 現在時刻から10分後に電源OFF、60分後に電源ON

Jetson内蔵のRTCはスケジュールを同時に1個しか登録できず、起動するたびに次の時刻を登録するプログラムを記述しなければなりません。

一方、RPZ-PowerMGRは専用開発したスケジューラーを搭載しています。そのためスケジュールを最大250個登録可能で、曜日指定などの複雑なスケジュールにも対応できます。CSVファイルインポート、エクスポート機能もあるので表計算ソフトを使ってスケジュール作成、管理でき、同じ設定を複数台に展開できます。

RTC(時刻保持)

RTC(時計)機能を搭載しており、インターネットに接続されていなくても、電源OFFから復帰した際に自動的に正しい時刻に設定できます。インターネットに接続されている環境では、自動的に時刻サーバーの正確な時刻に同期します。

超低消費電力

超低消費電力のIC、回路設計により、Jetson電源OFF時のRPZ-PowerMGRの消費電力をわずか5uA以下に抑えました。長期間の省電力運用を可能にします。

Jetson Nanoではスリープ状態で7mA-65mA程度の電流を消費しています。(実測値)

RPZ-PowerMGRの待機電力はこれの1000分の1以下です。(これとは別にモバイルバッテリー側の電圧供給回路での電力消費が生じる場合があります。)

モバイルバッテリーWake up

モバイルバッテリーの多くは消費電流が低くなるとスリープに入り電源が切断されてしまうため、間欠動作させることができません。RPZ-PowerMGRにはモバイルバッテリーWake up機能を搭載しており、スリープ状態のモバイルバッテリーを起動させることができるので、モバイルバッテリーを使った間欠動作が可能です。

Jetson Nano消費電流測定

バッテリーでJetsonを運用する場合に気になるのは実際にどの程度電力を消費しているかどうかでしょう。RPZ-PowerMGRはJetsonの消費電流を測定できるので、どの程度の期間バッテリーで運用できるか試算したり、電力消費を下げる構成を探すことができます。

Jetson Nano内蔵機能を利用した場合との比較

対応ハードウェアとOSは以下の通りです。

項目仕様
対応ハードウェアJetson Nano Developer Kit
Jetson Nano 2GB Developer Kit
(Jetson Orin Nanoは非対応です)
対応OSJetPack4.6

詳細、使い方はは以下の製品ページをご覧ください。

RPZ-PowerMGR (Raspberry Pi/Jetson Nano用 電源管理/制御/RTC拡張基板)

スイッチで電源ON/OFF、指定時刻に電源ON/OFF、シャットダウン後自動電源OFFを可能にする拡張基板です。Raspberry Pi(ラズパイ)やJetson Nanoの電源の課題を解決し、省電力運用を可能にします。RTCで電源OFF時も時刻を保持します。USB Type-C端子を搭載し、モバイルバッテリーでも利用できます。